そういやさ

中央線に乗ってたんですよ、中央線。いつも止まる中央線。
そんなのはどうでもいいんだな。コレ。
朝、急ぎすぎていつも混んでる車両に乗っちゃったわけです。
「うわっ、まずった。」と思うも後の祭り。えらい混んでくるわけ。
でも私って自己中の塊みたいな人間だから、ドアの近くをキープしてたんですね。
一回降りては、民が電車に押し込まれるのを見つつ、ほくそえんで最後にぴょこっと乗ってる。
同じような事をしてる奴がいてもそいつが乗るまで絶対に乗らない。最後は根負けして相手が乗る。
で、心の中でキャキャ笑う。
なぜか、なぜここまでするのか。
答えは簡単
① 痴漢に間違えられたくない
② ドアによっかかれる
この2点のために私の朝のラッシュは存在する。もうそれだけ。
で、途中までは同じ方向のドアが開いてそっからは逆のドアがずっと開くんです。
その日、私は油断してたんです。
ある駅でいつも通り一回降りて、民がすし詰め状態なのを確認して最後に乗ったんです。
「もうこれで誰も乗ってこないだろう。」
そう思いながら。
甘かった。甘すぎた。
「んふ〜」
という甘い声を出したデブが俺の目の前に乗ってきたんです。おデブちゃん(男性 推定年齢34)。
おデブちゃんのせいで、もうすし詰めから、人間サンドウィッチに変化。
もうそれはひどい有様で、お蔭様でドア付近キープできず。
「このおデブ、ひっぱたくぞ」と思って顔を見たら
汗だらだら、メガネ曇りがち
おーい、今は冬だよ〜。汗かいちゃダメだよ〜。季節無視かぃ。このメガネおデブは。
もうしばらくこっちのドアは開かないから、相当つれぇなぁなんて思ってた訳ですよ。
相変わらず、ファッキンデブは「んふんふ」言ってるし、朝から最悪だななんて思ってたら
甘かった、甘すぎた。
おデブちゃんからちょっと離れようと思って、後ろを確認したら
知らない秋っぽい格好のおねーさん、おっぱい触られんばかりの無防備状態。
おーい、お前、胸に手をあてて、触られないようにしてくれよー。なんて心の叫びもおねーちゃんに届く前に
おデブちゃん、やってくれました。
「んふっ」
私の方に全体重かかりました。早い話、おデブちゃんよろけてくれたんですよ。メガネ曇らせながら。
あんなにラッシュの中、雪崩が起きましたよ。
電車の中で相撲とるんじゃねーよ、一人相撲。
で、おデブちゃんは私の横にきて、まぁあのおねーちゃんも今の雪崩でどっかに行ってくれただろなんて思ってたら
いたよ、目の前に。相変わらず、無防備。
おれもおデブちゃんのお陰で、手は完全に塞がってるし。
もう最悪なわけです。おデブの手の温もりを感じながら(温もりっていうか、汗ばんでたな)電車は揺れてどこまでも〜。
ならいいんだが、おねーちゃんこっちに少しずつ来ちゃってるわけです。
コマリマス。ワタシコマリマス ← 外人風。できれば東南アジア
そう叫んだよ、心の中で。やべーよ、私、痴漢に間違われたらどうすんだよ。
そんな考えもむなしく、とうとう来てしまったよ。この時が。
おねーちゃんと完全密着状態。しかも結構綺麗系。
こうなったら仕方ないから、誰もこっち見るなよ。私は痴漢じゃないぞ。つーかお前は何が目的なんだ?金か?金ならねーぞ。性欲もねーがな。
しばらくして、電車がかなり揺れたんですよ。そしたらおデブちゃんに引き続き、おねーちゃんもやってくれました。
「キャッ」
こっち見るんです。みんな。当たり前のように。おデブまでも。お前のせいだろが、ボケェ。お前、1年断食しろ。
私はその時に気づいた。そうか、こいつの目的がはっきりした。
さては私を社会的に抹殺する気だな。
こいつ誰に頼まれた?いくらでこんな事やってやがんだ?
つーか恨みなんて数え切れない程かってる自分が辛い。誰の陰謀だか全然わからん。
あいつかも、こいつかも、頭の中で記憶がよみがえる。
もうどうでもよくなってきちゃったよ、そん時の私。
つーか、もうこの車両に乗ってる奴、全員に言いたい。
私の乗ってる車両に乗るな、と。
なんで私専用車両とかないの?作れよ、JR。
で、新宿かなんかに着いて、人がえらく降りていく時に、おねーちゃんこっち向いて
ガン飛ばしてくれました。
ありがとうございます。これに懲りたら2度と私に近づかないで下さい。心より願います。
おデブちゃん、2度と電車の中で相撲をしないで下さい。心より願います。
あと、季節はたぶん冬ですよ。
つーか2度とあの車両にのらねぇ。遅刻してでも私はいつもの車両に乗るよ。
あれ以来、おデブとおねーちゃんには会ってない。
しかし、私はビクビクしてる。子猫のように震えてる。