元立大エース・多田野数人のカミングアウト

異例と言っても過言ではないでしょう。
現在、アメリカに渡りインディアンズでマイナー契約を結んでいる多田野投手が
自ら声明を出した。
内容はご存知の方も多いであろう「ホモビデオ疑惑」について。
経緯をおさらいしてみよう。記憶が正しければ合っているはず。
立教大学のエースとして活躍し、プロ入り間違いなしと言われた多田野投手は
ドラフト前に「ホモビデオ出演した」という記事が新聞に載ってしまう。
これを受けて、各球団は獲得にかなりの難色を示しだし
(ただし各球団は多田野本人の右肩の故障が理由と表向きには言っていた)
最終的には結局、ドラフトにはかけられなかった。
ドラフトでは1位指名間違いなしの評価を貰っており、
横浜ベイスターズが自由枠で獲得しようとしていた。
唯一、ダイエー王監督
「この世界は結果が全てだから、グラウンドで結果を残せる者であれば構わない」
と獲得の意思を見せていたものの、周囲の反対にあったと思われ獲得しなかった。
故障していたはずの多田野投手は逃げるように、また野球選手として野球をするために
アメリカへ行きインディアンズとのマイナー契約を結んだ。
そして去年、1A,2Aながらも抑えとして華々しく活躍し、防御率1点台でシーズンを終了した。

その多田野投手が、自らビデオに出演した事を認めたのだ。

これを皆さんがどう受け止めるのか聞いてみたい。
私個人としては、彼に拍手を送りたい。
詳しく記事をまだ読んでないのでなんとも言えないのだが、会見に踏み切らせた衝動はなんだったのだろうか。
心のモヤモヤを吹き飛ばしたかったのか、それとも他の理由なのか。
そもそも野球をするのに、ヘテロだろうがゲイだろうが関係はない筈だ。
区別するのは良いが、差別をしてしまった日本球界はいかがなものだろうか。
そういう意味でも日本は非常に遅れている気がする。
獲得をしようとした王監督には同様に拍手を送りたい。
野球人として、その環境さえ与えられなかった多田野投手は本当に苦しい思いをしたと思う。
両親はもとより親戚にまで影響を与えた事だろう。
彼が「ホモ」であったとしても
「あっ、そうなんだ。へぇ。」のレベルでは日本は終わらない。
あからさまに軽蔑の眼差しで見られ、有名であればあるほど居場所の確保が難しくなる。
どうしてこのような差別が生まれたかは、江戸や大正の頃の話になる上に
それは今、関係ない&長くなってしまうので割愛するが
将来日本のエースになれるかもしれなかった人材を日本は手放した事だけは間違いない。
ビデオに出演したのは、明らかに自分がどのような立場の人間か理解できなかった多田野投手の頭の悪さがわかるが
各球団には理解を求めたい。

はるかアメリカで野球をしている多田野投手を今後も私は応援したいと思う。
そしていつの日か日本の球団のユニフォームを着て投げる多田野投手を見たいと思う。