きりたんぽっぽ

結構前の話になりますが、我が家できりたんぽ鍋をしました。
なんでまたきりたんぽなのか。
この日、私は友人と有楽町で待ち合わせをして遊ぶ予定でした。
実はこの日寝坊したんですよ、私。
友人は有楽町にとっくに到着して暇だったようで(それはそうか)
色々散歩してたようなんですよ。
で、私が到着するなり
「秋田の名産を売ってる店あったよ」
と言うじゃないですか。
秋田といえば私。私といえば秋田。
そんな代名詞を自分で勝手につけてるくらい秋田好き*1
そこで行ってみましたさ、その秋田の名産を売っているという店に。
そしたらあるわあるわ。
その中で一番目に付いたのがきりたんぽ。
ここにもよく書き込みをしてくれるけふ子食品さんが秋田出身なんですね。
彼女は純粋な秋田生まれの秋田育ちなので、私のような秋田かぶれとは違います。
で、彼女が昔きりたんぽ鍋をしてくれて、それ以来きりたんぽが好きなんです。
#私は母親が秋田のわりに、色々事情があり秋田には足を運べないのです
で、そんなきりたんぽが私の目の前に転がっているじゃないですか、ゴロゴロと。
そりゃあ買いますよ。いっぱい買いますよ。
で、そのまま家できりたんぽをする事になったのです。
家の近くのスーパーに行き、食材を買い込みます。
白菜にネギにシラタキ、マイタケ、そしてカニ、そしてその他諸々。
本当にきりたんぽ鍋かどうかすら怪しい食材の数々。
実際はカニ鍋なんじゃないかと思わせるくらい大量のカニを買い込み早速家で調理。
ここで気づきました。
食材を買いすぎている事に。
いや、もっと前にわかっていた。
レジで9000円近くになっていた時に気づいていた。
しかし我が家にいるのは私と友人1人のみ。
これはどうしようもない。
なので、助っ人を呼ぼうと近くに住む友人に声を掛けてみるもあっさり
「バイトだから」
「カラオケ中」
「今、飲んでるから」
「また今度」
「きりたんぽ食えないから」
・・・もういいさ。二人で食い尽くしてやるさと勢いをつけてみる。
しかし勢いは所詮、付け焼刃にすぎず(日本語がおかしいのは放っておいて下さい)
目の前に広がる食材に圧倒される。
どう見ても10人前は軽くある。いやもっとのような気がする。
きりたんぽ鍋というより、どちらかというと大食い選手権。
あぁご飯も炊けたよ。四合も。もちろん「あきたこまち」だけどさ。
とりあえず食べ始める。すでに気持ちで負けてる二人。
しかし食わない事にはどうしようもない。
あぁこんな事なら昼にドリアとか食わなきゃ良かったよ。
あれ、絶対ロシア米だよ。絶対。
カニなんてあんなに買わなきゃ良かったよ、なんだよなんで買ったんだよ、あんなに大量に。
そんな責任のなすり付け合いを行いながら食べるも、半分食べた所で限界。
まだきりたんぽを鍋に入れてないよ。
なんだよ、何鍋なんだよ。何がメインなんだよ。アレか白菜か白菜なのか?
白菜がメインでもしょうがないので、ここできりたんぽ投入。
ちくわのような形をしているきりたんぽ君。
因みに友人はきりたんぽ初挑戦。
今か今かときりたんぽが出来上がるのを待つ。
それはまるで恋人を待っている瞬間のような。
それはまるでオレオレ詐欺をしている瞬間のような。
そしてついに完成。きりたんぽ君。
早速、口に入れてみる。
こ、これはっ??!!
これうまいっす、マジうまいっす、マジ泣けたっす。
最高だよ、きりたんぽ。
友人もそれに続き、口に入れている。
どうなのよ?どうなのよ、そのきりたんぽの味はさ?
そこで衝撃の一言。
「ふ〜ん」
え、そ、それだけ?感想それだけっすか?
なんつーか、お前きりたんぽ食って秋田を感じないのか?世界を感じないのか?宇宙を感じないのか?
この秋田が生んだ絶妙な食材に対して
「ふ〜ん」
で終わっていいのか?本当にお前はそれだけの人間なのか?
彼女はうまいとも、そしてまずいとも言わず、ただただ
「ふ〜ん」を繰り返す。
もうお前きりたんぽ食うな、水でも食っとけ。
そして次にカニに手を出した友人。
ここでも衝撃の一言。
カニはうまいねぇ」
「は」ってなんだよ、「は」って。お前アレか、きりたんぽまずかったのか?
私が絶賛しすぎて、「マズイ」って言えなかったのか?そうなのかぁ?
それ以上友人はきりたんぽに手を出すことはなかった。
私はむしゃむしゃ食う、ひたすら食う、そうきりたんぽを。
最後の最後まで。
結局、私は友人にきりたんぽの旨さを伝える事はできなかった。
そして友人は後日、別の友人にきっとこう言うであろう。
「この前さぁ、きりたんぽ食ったんだけどぉ、あんまりうまくなかったんだよねぇ。
つかね、マズイ。あれ絶対マズいって。」
もうお前帰れ。田舎帰れ。
この日、私に残ったのは悔しさとあまりの多さに食べきれなかった食材の数々。
次の日、一人で再びきりたんぽ鍋。
その日の夜、腹痛に襲われる。あれだね、カニにあたったとみたね。
放置してたし、カニってやつを。カニは腐るとひどいね。いや腐ってたのか、本当に。
しばらく家はカニ臭かった。ためしに香水を振りまいてみたが、逆に気持ち悪かった。
そんなきりたんぽ鍋。
次はキムチきりたんぽ鍋をしてみよう。こりずにきりたんぽを食材にしよう。
という事で我が家でキムチきりたんぽ鍋を一緒にしてくれる方を募集しています。
あて先はこちら。
yuki@yukicafe.cc

*1:母親が秋田なんですわ