木曜日

仕事で朝から先輩に呼び出され、ある指令を受ける。

「この書類たちをプリントアウトして」


へいへい、わっかりやしたぁと思い、書類の枚数を調べる。



・・・8500枚。
・・・・・・・8500枚?!



先生!会社で8500枚も一人で印刷かけて大丈夫なものでしょうか?



えっちらおっちら印刷。
当然、その間はプリンター占領。


しばらくして、プリンター故障。
他のプリンターから続きを印刷。



なんとか印刷を終えて、報告をしにいくと

「じゃあ次はこの書類に印鑑を押していって」


・・・8500枚をですか?
・・・・・ホントですか?



これは罠だ。
これはリンチだ。
これは精神病にされてしまう。




話を聞けば、8500枚全部に印鑑を押すわけではないが
それでも1000枚強に印鑑を押さなければならないらしい。




・・・作業開始。



最初は手間取ったものの
「こんなイジメに屈しない!」
と強い意志をもったため、中盤以降からは中間管理職の書類さばきよりも早かっただろうと予想される。


流れるようにうごく左手。
無駄のない動きの右手。
体全体でリズムを刻む。


一連の動きは、まさに芸術品と呼ばれるにふさわしいものだった。


昼の14時からはじめ、23時に終了。
いじめも終了。

作業を依頼してきた人は
「俺、彼女に呼び出されたから帰るわ」
と言って21時ころ帰っていった。


あのね、俺、機械じゃないから。
普通、そんなに長時間印鑑ばっか押してらんないから。


祭れ、俺を祭ってくれ。
神と呼んでくれ!!!!!!


ねぎらいのコメントをモトム。