羽鳥先生お元気ですか？

高校時代の先生の話です。
羽鳥先生は若い英語の先生でした。
私達の高校はお世辞にもあまり授業態度がいいとは言えませんでした（私はぐーすか寝る専門部隊）
でも羽鳥先生の授業は、みんな真面目に受けてました。
しかし、テストの点数が明らかに他のクラスの平均点を下回ってたんですね。
他の科目はそんな事ないのに、羽鳥先生の科目だけが。
別に教え方が悪いわけではないし、クラス全体で見ても英語が苦手ではありませんでした。
じゃあなぜテストの点が悪くなるのか、それがまったく意味がわからなかったのです。
羽鳥先生はだいぶ悩まれたようです、「自分が悪い」、と。
私からすれば、何も羽鳥先生は悪くないし、それで悩まれても私は嫌だったので
ある時、先生に言いました。
「先生は悪くないと思うよ、どっちかって言うと自分達が悪いし。」
でも先生は変わりませんでした。悩み続けたようです。
授業自体も色々工夫されていましたし、楽しい授業だったんです。
でもテストの点だけは何も変わりませんでした。
私達のクラスを受け持って1年経たないうちに、先生はいなくなりました。
正直、その時寂しかったのを今でも覚えてますし、申し訳ない気持ちでいっぱいでした。
もう教師の道は進まないのかも知れないと思いましたし、ずっと教師をやっていて欲しかったのです。
まったく先生のその後の詳細がつかめなかったのですが、しばらくして先生がどこかの定時制の高校で教師を続けている事を知りました。
先生、お元気ですか？もうあれから１０年経ちますね。

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